オーストラリアETASとは、Electronic Travel Authority(電子渡航認証)の略称で、観光や短期商用などを目的に渡航する外国人旅行者向けの入国許可制度です。ETASはビザの一種ですが、従来のビザのように大使館や領事館での手続きを必要とせず、オンライン上で申請・審査が完結する点が特徴です。
日本を含む一部の国・地域のパスポート所持者が対象となっており、対象国の国籍を持つ旅行者は、短期間の観光や私的滞在、会議出席などの目的であればETASを利用して渡航できます。ただし、就労や長期滞在、就学などを目的とした入国には利用できません。
一般的な観光ビザと比べると、ETASは申請手続きが簡素で、審査期間も比較的短い傾向にあります。一方で、滞在条件や活動内容には制限があり、渡航目的や滞在期間によっては観光ビザの取得が必要となる場合もあります。そのため、自身の渡航目的にETASが適しているかを事前に確認することが重要です。本ページでは、ETASの条件や申請方法について詳しく解説します。
ETASが必要な人・不要な人
オーストラリアへ渡航する際、国籍や渡航目的、すでに所持しているビザの有無によって、ETASが必要かどうかが異なります。ETASは観光や短期滞在を目的とした電子渡航認証であり、すべての渡航者が対象となるわけではありません。条件に該当しない場合はETASを利用できず、別のビザが必要となります。誤った認識のまま渡航すると、搭乗拒否や入国不可となる可能性があるため、事前の確認が重要です。
ETASが必要なケース
日本国籍を含むETAS対象国のパスポート所持者が、観光や短期商用を目的としてオーストラリアへ渡航する場合、ETASの取得が必要です。観光目的には、休暇旅行、観光地巡り、家族や友人の訪問などが含まれます。また、短期商用としては、会議への出席、展示会や見本市への参加、商談など、報酬を伴わない限定的なビジネス活動が認められています。
さらに、条件を満たす場合にはオーストラリアでの乗り継ぎのみであってもETASが必要となるケースがあります。たとえば、空港の制限区域外へ出る場合や、一定時間以上滞在する場合などが該当します。乗り継ぎだから不要と自己判断するのは危険で、航空会社の搭乗条件にも影響するため注意が必要です。
ETASは短期滞在向けの制度であり、渡航目的がこれらの範囲内である場合にのみ利用できます。渡航内容がETASの条件に合致しているかを事前に確認したうえで申請することが重要です。
ETASが不要なケース
オーストラリア市民および永住者は、入国に際してETASを申請する必要はありません。これらの立場にある方は、ETASとは異なる法的資格に基づいて入国が認められています。また、すでに有効なオーストラリアのビザを所持している場合も、重複してETASを取得する必要はありません。
たとえば、観光ビザ、学生ビザ、就労ビザなど、目的に応じた有効なビザを保持している場合、そのビザの条件に従って渡航・滞在が可能です。ETASはあくまで短期渡航者向けの簡易的な入国許可であるため、他のビザを持っている人にとっては不要となります。
誤って不要なETAS申請を行っても、既存ビザが無効になることはありませんが、混乱を招く可能性があります。自身のビザ状況を確認し、不要な申請を避けることが大切です。
ETASで認められる活動・認められない活動
ETASでは、短期間の観光や私的滞在、限定的な商用活動が認められています。一方で、就労や長期滞在などは認められておらず、活動内容には明確な制限があります。ETASで可能な範囲を超えた行動を行うと、入国拒否や滞在中のトラブルにつながるおそれがあるため、事前にできること・できないことを正しく理解しておく必要があります。
認められる活動(観光、親族訪問、短期商用など)
ETASで認められている活動の中心は観光です。観光地の訪問、レジャー、休暇目的の滞在などが含まれます。また、家族や友人を訪問する私的な滞在もETASの対象です。これらはいずれも報酬を得ない活動であることが前提となります。
加えて、短期商用活動も一定範囲で認められています。具体的には、会議やセミナーへの参加、展示会の視察、商談などが該当します。ただし、現地企業で業務を行ったり、契約に基づく労働を行うことはできません。
ETASはあくまで短期かつ非就労を前提とした制度であり、滞在中の活動内容がこの範囲に収ま っている必要があります。判断に迷う場合は、ETASではなく観光ビザなど他のビザを検討することが安全です。
認められない活動(就労、長期滞在など)
ETASでは、オーストラリア国内での就労は一切認められていません。たとえ短期間であっても、報酬を得る業務や現地企業での作業、契約に基づく業務はETASの条件外となります。
また、長期滞在を目的とした渡航もETASではできません。ETASは短期滞在向けの制度であり、滞在期間を延長することは原則として認められていません。
さらに、条件外の就学や研修もETASでは不可とされています。語学学校への長期通学や、資格取得を目的とした教育活動を行う場合には、学生ビザなど別のビザが必要です。渡航目的がこれらに該当する場合は、ETASを選択しないよう注意が必要です。
ETASの有効期間・滞在可能日数
ETASには有効期間と、1回あたりの滞在可能日数が定められています。有効期間内であっても、1回の滞在で認められる日数を超えることはできません。また、有効期間中は複数回の入国が可能ですが、条件を守らない場合は入国を拒否されることがあります。ETASの条件を正しく理解して利用することが重要です。
有効期間
ETASの有効期間は、一般的に発行日から一定期間(例:1年間)とされています。この有効期間内であれば、条件を満たす限り何度でもオーストラリアへ渡航すること が可能です。ただし、有効期間はパスポートの有効期限と連動しており、パスポートが失効した場合はETASも無効となります。
そのため、ETAS申請時にはパスポートの残存有効期間を必ず確認する必要があります。有効期間が短いパスポートを使用して申請した場合、想定より早くETASが無効になることもあります。
渡航予定が複数回ある場合は、有効期間内に収まるかどうかを確認し、必要に応じて再申請を検討しましょう。
1回の滞在可能日数
ETASでは、1回の入国につき原則として最大3か月までの滞在が認められています。この期間を超えて滞在することはできず、延長も原則不可とされています。
滞在可能日数は短期旅行者向けに設定されており、長期滞在を前提とした制度ではありません。3か月以内であっても、入国審査時に滞在目的や帰国予定を確認されることがあります。
帰国便の予約や滞在先情報を準備しておくことで、スムーズな入国につながります。
複数回入国の可否
ETASはマルチプルエントリー(複数回入国)に対応しており、有効期間内であれば何度でも入国が可能です。短期間で複数回オーストラリアを訪れる予定がある場合でも、毎回新たにETASを申請する必要はありません。
ただし、入国のたびに滞在目的や条件が確認されるため、ETASの範囲外と判断された場合は入国を拒否される可能性があります。
複数回入国できるからといって長期間滞在を繰り返すと、入国審査で問題視されることもあるため注意が必要です。
ETASの申請方法
ETASの申請はオンライン上で完結し、大使館や領事館へ出向く必要はありません。必要書類も少なく、パスポート情報を中心に入力することで申請できます。ただし、入力内容に誤りがあると審査遅延や承認不可につながるため、正確な情報を入力することが重要です。申請完了後は審査が行われ、結果はメールで通知されます。
申請に必要なもの
ETAS申請にあたって必要なものは多くありませんが、いずれも正確性が求められます。まず、有効なパスポートが必須です。ETASはパスポート情報と電子的に紐づけられるため、申請時に入力する氏名、生年月日、パスポート番号は、パスポートの記載どおりに入力する必要があります。
次に、申請手数料の支払いに使用するクレジットカードが必要です。カード名義は申請者本人である必要はなく、家族名義のカードなどを利用できる場合もあります。
また、審査結果や申請に関する連絡を受け取るためのメールアドレスも必要です。入力したメールアドレスに誤りがあると、結果通知が届かない可能性があります。申請前に、これらの情報を手元に揃え、落ち着いて手続きを行うことが重要です。
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パスポート
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クレジットカード
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メールアドレス
申請手順
ETASの申請は、決められた手順に沿って進めることで完了します。まず、オンライン申請ページにアクセスし、申請フォームへ進みます。次に、氏名、生年月日、パスポート番号などの個人情報を入力します。この際、入力ミスを防ぐため、パスポートを見ながら確認することが重要です。
情報入力後は、申請内容を確認し、問題がなければ支払い手続きに進みます。支払い完了後、申請は正式に受理され、審査が開始されます。
審査が完了すると、結果が登録したメールアドレス宛に通知されます。承認されたETASはパスポートに電子的に紐づけられるため、書類を印刷して持参する必要はありません。渡航前に承認通知を確認しておくと安心です。
ETASの審査時間と申請タイミング
ETASは比較的短時間で審査が行われることが多い制度ですが、すべての申請が即時に承認されるわけではありません。申請内容や状況によっては追加確認が行われることもあります。そのため、出発直前ではなく、余裕を持って申請することが重要です。特に繁忙期は審査に時間がかかる可能性があります。
通常の審査目安
ETASの審査時間は、申請内容に問題がなければ比較的短く、数時間から数日程度で結果が出ることが一般的です。しかし、すべての申請が同じスピードで処理されるわけではなく、個別の状況によって差があります。
過去の渡航歴や入力内容の確認が必要な場合、通常より時間がかかることがあります。また、追加情報の提出を求められるケースもあり、その場合は審査完了までさらに時間を要します。
そのため、ETASは「すぐ取得できる」と過信せず、計画的に申請することが大切です。
出発前はいつまでに申請すべきか
ETASは出発直前でも申請できる場合がありますが、推奨されるのは出発の数日前までに申請を完了させておくことです。万が一、審査が長引いた場合でも、余裕を持って対応できます。
特に初めてETASを申請する方や、海外渡航に慣れていない方は、早めの申請が安心です。航空会社によっては、搭乗時にETASの有無を確認されるため、未承認のままでは搭乗できない可能性もあります。
旅行日程が決まった段階で申請を進めるのが理想的です。
繁忙期の注意点
年末年始、夏休み、連休前などの繁忙期には、ETAS申請が集中し、通常より審査に時間がかかることがあります。また、システム混雑により申請手続きがスムーズに進まない場合もあります。
繁忙期に渡航予定がある場合は、通常よりも早い段階で申請することが重要です。直前申請によるリスクを避けるためにも、余裕を持ったスケジュールを心がけましょう。
ETAS申請時の注意点
ETAS申請では、入力ミスや条件の誤解に よるトラブルが少なくありません。特にパスポート情報の誤入力や、承認後の条件変更に関する認識不足が原因となるケースが多く見られます。申請前に注意点を把握し、正確な情報で手続きを行うことが重要です。
パスポート情報の入力ミス
ETAS申請で最も多いトラブルが、パスポート情報の入力ミスです。氏名のアルファベット表記、パスポート番号、生年月日などに誤りがあると、ETASが承認されても入国できない可能性があります。
特に注意すべき点は、ミドルネームや表記の順序です。申請時は、パスポートに記載されているとおりに入力する必要があります。入力後は必ず内容を再確認し、誤りがないことを確認してから申請を完了させましょう。
承認後の変更不可事項
ETASは一度承認されると、申請内容を後から修正することはできません。パスポート番号や氏名に誤りがあった場合、再申請が必要となります。
また、渡航目的が変更された場合でも、ETASの内容を変更することはできません。条件外の活動を行う予定がある場合は、ETASではなく別のビザを取得する必要があります。承認後は内容を十分理解したうえで渡航しましょう。
却下・保留になる主な理由
ETASが却下または保留となる理由には、入力情報の不備、過去の渡航歴、滞在条件に関する懸念などがあります。特に、過去にオーストラリアでの滞在超過やビザ違反がある場合、慎重な審査が行われることがあります。
却下された場合でも、理由に応じて観光ビザなど別のビザを申請できる可能性があります。結果を確認し、適切な対応を取ることが重要です。
ETASで入国する際の流れ
ETASを利用してオーストラリアへ渡航する場合、出発前から到着後、滞在中までいくつかのポイントがあります。ETASはパスポートに電子的に紐づけられているため、特別な書類を持参する必要はありませんが、入国時には渡航目的や滞在条件を確認されることがあります。スムーズに入国するためにも、事前準備とルールの理解が大切です。
出発前
出発前には、ETASが承認されていることを必ず確認しましょう。ETASは電子的に管理されているため、印刷書類は不要ですが、承認通知メールを確認できる状態にしておくと安心です。航空会社によっては、搭乗手続きの際にETASの有無をシステム上で確認します。
また、パスポートの有効期限が十分に残っているか、帰国または第三国への航空券を所持しているかも重要なポイントです。滞在先情報や滞在期間を説明できるよう準備しておくことで、入国審査時の質問にも落ち着いて対応できます。ETASは短期滞在向けの制度であるため、渡航目的が条件内であることを再確認してから出発しましょう。
到着時(入国審査)
オーストラリア到着後は、入国審査を受けます。ETASはすでにパスポートに電子的に紐づけられているため、特別な提示書類は求められませんが、審査官から渡航目的や滞在期間について質問されることがあります。
観光目的であること、滞在期間がETASの条件内であること、帰国予定があることを明確に伝えられるようにしましょう。虚偽の説明や条件外の目的が疑われた場合、入国を拒否される可能性があります。落ち着いて正確に回答することが、スムーズな入国につながります。
滞在中の注意点
滞在中は、ETASで認められている活動範囲を守ることが重要です。就労や長期滞在、条件外の就学などは認められていません。たとえ短期間であっても、報酬を得る行為はETAS違反となります。
また、滞在可能日数を超えて滞在しないよう、帰国日を必ず確認しましょう。違反があった場合、今後の渡航やビザ申請に影響する可能性があります。ETASは便利な制度ですが、条件を正しく理解し、ルールを守って利用することが大切です。
よくある質問
01
ETASは印刷が必要?
不要です。ETASはパスポートに電子的に紐づけられており、印刷書類を持参する必要はありません。
02
家族・グループで申請できる?
申請は個人ごとに必要ですが、家族やグループ分をまとめて手続きすることは可能です。
03
子どももETASは必要?
はい。年齢に関係なく、渡航するすべての方にETASが必要です。
04
承認後にキャンセルはできる?
ETAS自体をキャンセルする手続きはありません。未使用のまま有効期限を迎える形となります。
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